- 2023年12月3日 12:25 CAT :
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だから君は行くんだ どこまでも
先日、Xさんでもチラッと触れたけれども、今、(↓)の本を読んでる。
メッチャ内容が面白いのは、敢えて言う事でもないけれども、凄いためになる本だよ。これ。まぢで。
漫画家になりたい人は、絶対読むべきなのは間違いないけれども、それだけじゃなくて、普通に社会生活においてもかなり活用できると思う。
同じような感じで、荒木飛呂彦先生の「漫画術」って本もあったよな。
あっちはまだちゃんと読んでないんだけど、チラッと見た感じでは天才の頭の中を覗き見るにはディモールト良い感じだけど、自分の創作活動や社会生活に落とし込めるかと言うと、なかなか難しそうで食指が伸びなかった。
それに比べてと言うと語弊があるけど、この藤田先生の話は、めちゃめちゃ落とし込めてしまう。
少し前に、嫁から「なんで、暗くて重い話ばっかり描くのか」と問われた。
そこで、答えに困窮してしまったんだよね。
この「読者ハ読ムナ」では、自分の作品について「なぜ」を常に持つことが重要だと言う事を結構なウェイトで語られている。
そう言うものを書きたいんだよ。とか、そう言うものが自分の中から出てくるからだよ。ではダメらしい。
そういう奴は、藤田先生の仕事場では即クビになるらしい。いや、アシスタントとして勤めるつもりはないけれども・・・
物語においても、主人公の行動においても、設定においても、全てに「なぜ」を投げかけていく事で、しっかりと深堀していける。その結果、物語自体が動き始める。
ぐうの音も出ない。
ただ、露悪趣味的に描いてるつもりはないんだけど、言われてみればなんでオレはそんなお話ばっかり描いていたんだろう・・・
踏みつけられて脳みそが流れ出たり・・・
SMプレイとして指を切断されたり・・・
食べるものが無くて虫を生で食べたり・・・
槍で突かれて目玉が飛び出たり・・・
少女を緊縛して刃物を突き立てたり・・・
この辺りの描写とかモロですよね。
学生時代には、この世の全てに対して色々な憎しみをじっくりと持っていた訳で、それを吐き出す手段として漫画で暗い話を描いてたような気がする。
でも今、オレはそんなに世の中に対して深い絶望も、強い憎しみも持ってない訳で、敢えて暗い話を描く必要ってないんだよね。
いつの間にか何となくそう言うものを描くんだと、勝手に思い込んでた気がする。
立ち戻ってみよう。と。
そして、自分で描きたいものってなんだろうとか、そう言う事を自問自答してみよう。
これはあくまでも短編の話。
それとは別で、子どもの頃に描き切ることを決めた世界を掬い取る物語については、これからも相変わらず書き続けていくよ。
ただ少し物語の描き方は変わるかも知れない。
その位、面白い本だったよ。
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