2015年3月7日 21:15 CAT :
       

「手をかえ品をかえ」に涙が止まらない夕餉の時

今更ながら、「水中、それは苦しい」さんの傑作アルバム「手をかえ品をかえ」について、つらつらとレビューでも書いてみよう。

なぜかって・・?いやね。

最近、改めて聞いてみて、「やっぱり名盤だな」と、再認識したからですよ。

ハイ。

単刀直入に言う。

ホントに、名盤だよ。

正直、コミックバンド(と言っていいのかどうか?)的なイメージを抱いていた。

(まぁ、初めて見たのが「あらびき団」だったのが一番の原因ですけどね。)
実際、一聴してみれば、確かにそう思える節も多々ある。

実際、オレは、初めて聴いて時は、腹が攀じきれるかと思うほど笑い転げながら聴いてたし。

でも、このアルバムの凄いところは、それで終わらないところ。

何度も繰り返し聴ける。

何度聞いても笑える。

と言う意味であるようで、そうでないようでもある。

ひとつには、笑いどころのレベルがいくつかある事。

初見殺しのような、分かりやすく面白いとこがあり、何度か聞いてるうちに面白くなるとこがあり、更に、聴きこんで歌詞を考えると面白くなるところがある。

毎回、同じところはもちろん、違う所でもクスッとする。

ついでに、メロディーラインが異常に(そして、無駄に)秀逸。

耳残りが良いくせに、何度も聴きこめる、メロディーラインに、天才としか言いようがない独特の言葉まわしが乗ると、本当に、唯一無二の音楽になる。

歌詞だって、一見、たんに思いついただけのように見えて、実に哲学的。

意味不明だけど、なんだか意味深なことを言ってるような気がするけど、やっぱり意味ないのかと思うと、実は、テーマ性があったりとか・・・

さらに、このアルバムに関して言えば、「アルバムとしての構成」が、完璧過ぎると思う。

1曲目「校長、農業、そして手品」のよく考えると深いような、何の意味もないような歌詞。

耳馴染みが良いのに聴いたことのないメロディー。

無駄に美しいバイオリンに「・・?なんだ?このバンドは?」と異常な興味を持つ。

そして、「新谷さん」あたりで「もしかして、このバンド面白いんじゃね?」と思い始めたところに、「おっと、オトタケ」で一回目の殺しに入る。

もうね、この辺りではもう、「オレ、このバンド大好きだわ。」と思うようになってるはず。

「ロシアの女」、「ブブカ」付近で、また「新谷さん」の頃の感覚がよみがえってきて、「小鳥酒」で、二度目の殺しが・・・

「無軌道戦士ランダム」まで聴くと、何か分からんけど、すごく壮大な一つの映画を見たような、オーケストラを聴いたようなよく分からない感動が心の中に押し寄せてくる。

そのままに「人物伝」で、完全に殺されてしまい、死亡した状態で聴く「まじんのおのようこ」が、何だか異常に深い名曲のような気がしてしまい、最後の「まだ見ぬ家族を抱いて~」の叫びあたりでは、もう涙で前が見えなくなってしまう。

と言う、怒涛の構成をほとんど「フォークギターとヴァイオリンとドラム」だけで表現する、技術の高さは、まさに現代の「新東京正義之士」。

(曲のくだらないけど、なんだか哲学的なところも含めて)。

歌詞の一部に、初期の「筋肉少女帯」も入ってる気がしないでもないけれども、曲の感じからすると、完全に「新東京正義之士」だよね。

・・・と思って、ウィキ見てたら、しっかりバンドブーム時代に、前身バンドは結成されてたのね・・・と納得。

前身バンドの名前が「シネシネ団」って・・・あの、ナゴムの「死ね死ね団」の中卒さんが言ってた「もうひとつのシネシネ団」の事かよ!!!って、衝撃を受けてしまったよ・・・

やっぱりそう言う感じか。

でも、そのまま活動を続けて、今になって、本格的にCDとかもリリースしてくれてると言うのが、何だか嬉しい。

リアルタイムで、これからも応援していきますよ。

バンドブーム時代の何だかヘンテコな音楽が好きな人は、絶対にお勧めのバンド「水中、それは苦しい」の名盤アルバムでございました~」
ちなみに、最近(でもないか・・・)リリースされた「芸人の墓」って曲は、単純に泣いてしまう名曲だよ。

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