- 2023年3月27日 20:10 CAT :
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あの頃、ここに来れば夢が見つかると思っていた
娘が先日、学校で書いていた将来の夢の作文で「将来の夢は漫画家になる事」だと書いていた。
お父さんとしては、その道はなかなか茨の道ですぞと言う想いもあるんだけど、その夢が叶うように最大限の応援はしたいと思っております。
取り急ぎ、会社のPCで使ってない奴に、液タブ繋げて、クリスタインストールして、娘がいつでも使えるようにはしてあげようかと。
ただ、デジタルで胡麻化してばかりいてもしょうがないので、そもそもの画力を上げるためにいっぱい絵を描くんだよと言う話はした。オレに言えることはそんな事くらいか。
娘は今10歳。
オレも同じ10歳、小学4年生の頃、2分の1成人として、将来の夢を書くと言う学校の宿題があった事を思い出した。
その時、母親から「将来どんなことしたいの?」と聞かれた時、すでに漫画を描き倒してたオレは「漫画家になりたい」と話した。
母親はその時、「えぇ~・・・」と随分と渋い顔をしてしばらく時間を空けて「もう少しなんかないの?漫画家なんて、仕事じゃないよ」とつぶやいた。
その後しばらく「いかに漫画家と言う虚像のような職業に現実味がなく、目指す価値がないものか」を説明され、「将来の夢」として当時オレが学校で飼育係やってたからと言う事で「ペット屋さん」と書かされた。
漫画家と言う職業がペット屋さんと比べて、はるかに立派で価値がある職業だ、とかそういう話じゃあない。
と言うか、職業の貴賤とか考えるなんて、心底どうかと思ってる。
ただ、この時「ペット屋さん」と書かされたことで、これ以降オレは絶対に自分の夢を人に語るまいと心に誓った。
あと、オレの描く漫画をこの親に見せることはないとも。
実に苦々しい記憶のひとつ。
多分、母親としては漫画を描く事自体は別に良しとしても、将来の職業としては「公務員」とか「サラリーマン」とか「警察官」とかそんな感じの事を期待していたんだろう。
結局、オレは母親の思っていたような職業にはつかなかった。と言うか、つけなかった。
社会からはみ出して、公務員どころかサラリーマンにもなれずに、フリーランスのデザイナーとなり、仕事を一人でこなし切れなくなった結果、今はデザイン会社を立ち上げ、社長さんをやっている。
フリーランスのデザイナーと漫画家を比べるとあんまり大差ないよね。
あの時、将来の夢として「フリーのデザイナー」と言っても「いかにデザイナーと言う職業に現実味がなく、目指す価値のないものか」を懇々と諭されたと思う。
確かに、まだ「ネット?なにそれ?」な、あの時代。
漫画家もデザイナーも虚像でしかなったのかもしれない。
今ならあの当時の母親の言動についても受け入れられるし、気持ちが分からなくもない。
今は本当に良い時代になった。
ネットと言う最強のツールのお陰で、こんなオレが好き勝手に書いた漫画を発表する場所があるんだから。
出版社に持ち込むか、賞に投稿する以外に漫画家になる道がなかったあの時代とは違う。
娘にもぜひ、いっぱいマンガを描いてもらって、ネットで色んな人に見てもらってほしい。
娘に(オレにはなかったけど)漫画家としての才能が有れば、昔よりはるかに漫画家になれる可能性は高いと思う。
歴史に「たられば」はないけれども、オレが小学4年生だった当時、ネットが普及してて「新都社」で漫画が簡単に発表できていれば、オレは何をやっていただろうか。
でも、結局漫画家にはならなかったような気がしてる。
何でか、分からないけど。なんとなく。
イヤ、描いた漫画をマロンでボロクソに酷評されたからとかそんな理由じゃなくて。
そんなこんなで、オレは絶対に子どもの将来の夢について否定しないで全力で応援しようと思ってる。
良いんだよ。それで、人生苦労することになっても。
どうせ、苦労する奴はどうしたって苦労するんだから。
あと、娘が今後描いた漫画をどの媒体で発表していくかは分からないけど、取り合えず、「新都社」は辞めときなってアドバイスするかな。
「メチャコミ」辺りの投稿サイトとか薦めようか。
何しか親子で漫画描いてお互いの作品を読んで色々話しできるようになる日はそう遠くないかもしれない。
全然関係ないけど、液タブ買う前、最後に板タブで書いたイラスト載せて終わりにしよう。
「ひとときの暗がり」のメインイメージですね。
最初に書いたラフ案(↓)
チャンとペン入れして、着色したやつ(↓)
いつもながら、ラフ案の方が雰囲気出てていい感じ。
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