- 2009年6月1日 2:06 CAT :
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大熱唱は「ドリフター」
小学校の頃の話。
登校中、通学路のある地点に毎日代わる番こに保護者が立哨当番と称して立っていた。
要は、子どもの登校中の安全を見守ってたんだろうけれども・・・オレがそこを通るのはいつも決まって7時40分頃だった。
もちろん朝。
オレが立哨してる所を過ぎて少し行った所で、いつも1人のおっさんとすれ違ってた。
今にして思えば、駅から電車で会社に出社してたのかも知れない。
お互いが決まった時間に、決まった道を歩くもんだから、結局、小学校の6年間は毎日そのおっさんと顔をあわせてた。
「志村けん」に似てたから、オレは勝手にそのおっさんの事を「志村の弟」名付け、そのおっさんについて勝手に妄想を膨らませていた。
志村の弟は、テレビでバカな事をしてばかりいる兄貴に嫌気がさしていた。
自分は、あんなバカな事をしないで、まっとうに働いて生きていくぞ。
兄貴のいる東京になんか居たくない。
オレは、片田舎の香川で一生生きるんだ。
そんな事を考えてるから、志村の弟はいつもチョッと小難しいしかめっ面をしてる。
みたいな妄想・・・だったように記憶してる。
で、今日会社へ行く途中・・・十数年ぶりにその志村の弟と道ですれ違った。
オレが小学校を卒業してからの長い時間、この志村の弟は、その間ずっとこの町で生活していたらしい。
今も、7時40分にあの道を歩いているかどうかは知らないけれども・・・
志村の弟は、相変わらずのしかめっ面で、道をとぼとぼと歩いていた。
少し老けて、しわも白髪も増えていた。
そして、あんまり「志村けん」には全然似てなかった。
なぜ、オレはこの人の事を「志村けんの弟」と呼んでいたんだろう・・・?
キッと昔から、人の顔なんてよく覚えてなくて、空気とかで判断してたんだろうな。例え志村けんに似てなくても、今でも「このおっさんは志村の弟だ」と分かるんだから・・・
何か懐かしくてほのぼのしたと言う・・・そんな話。
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