- 2023年7月28日 12:05 CAT :
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感想とか書き始めたらネタ切れの前兆と語った上で映画評論をするシリーズ「大怪獣のあとしまつ」~後編
前回までのあらすじ!
と言う事で、「令和のデビルマン」こと「大怪獣のあとしまつ」についての感想。
後編でございます。
今回もネタバレたっぷりあるので、一応、気にする人は気にしてみても後悔はないのではないでしょうか。
さてさて。
前回、いかにこの映画が素晴らしいか。
三木聡と言う監督の作風についてなどなど色々書いてきたけど・・・この映画自体のオレの評価としてはダメだった・・・その理由を書いていきましょう。
端的に言う。
主演がダメだった。
これはもちろん、山田涼介さん、土屋太鳳さんのお2人が俳優としてダメだとかそう言う事を偉そうに言うつもりは毛頭ない。
どちらも素晴らしい俳優さんだし、演技がどうのこうのと言う話なわけない。
そんな事、ド素人のオレが偉そうに言えるわけもないし、言うつもりもない。
ただ前提条件として、三木聡と言う監督がド変態だと言う事を覚えておいてほしい。
無理やり不必要なシーンを作ってでも、自分の嫁さん(ふせえり)のパンチラを凄い規模で公開している映画の中に押し込んでくる位変態なんだ。
逆に、凄い規模で公開するからこそ、全国の皆さんにいい年した嫁さんのパンチラを見せつけることが出来ると考えたんだろう。その位にはド変態。
嫁さんのおっぱいを毎回露出させて満足してる園子温監督と双璧をなすド変態だと思う。
三木聡作品には、そのド変態性がこれでもかと満ち満ちている。それこそ、画面から駄々洩れになるくらい。
だからこそ三木聡映画の常連さんは全員目くるめくド変態。
嫁さんでもある「ふせえり」を筆頭に、岩松了、笹野高史、松重豊、村松利史、江口のりこ、松尾スズキ、嶋田久作などなど・・・。
「ボーイズオンザラン」に出ようが、「ヤクザと家族」に出ようが、「悪の教典」に出ようが、岩松了が出た瞬間「え?別の映画?」ってくらい画面が変態色に染まってしまう。
ずっと昔、「キューティーハニー」の実写版ドラマを見た時にも、ずっと詰まんなかったのに、一人だけめっちゃ記憶に残ってるおばさんの敵役がいたなと思ってたけど、それ「ふせえり」だった。
小学生の頃、大好きだったドラマ「透明人間」でオレが一番好きだったのは主演の香取慎吾さんではなく、ピグマリオン計画を立ててるミスターXこと嶋田久作だった。
これまでの三木聡映画では、この枠を固める超ド級変態役者さんに対抗できるド変態が主演をしていた。オダギリジョーを筆頭に、伊勢谷友介しかり、上野樹里しかり、麻生久美子しかり。
それに比べて、非常に申し訳ないけど、山田涼介さんは多分変態じゃないと思う。もちろん、変態の演技は出来ると思うけど、やっぱり生粋の芯からの変態じゃなかったんだよ。
どうでもいいけど、「帰ってきた時効警察」がチョッとう~んだったのも、主演が麻生久美子じゃなくて、吉岡里帆さんになっちゃったからだと思ってる。やっぱり麻生久美子なんだよ。三日月しづかなんだよ。
ただ、濱田岳は、上記のド変態さん相手に全然負けてなかったよね。
大好きな映画「ヒメアノール」で主演してた時に、変人役を演じているムロツヨシさん、サイコ役を演じている森田剛さんの横で、普通の役を演じてるのに変態性が画面から決壊していた濱田岳ですよ。
「孤独のグルメ」の回転ずしの回で、最後に出てきためっちゃ変な人・・・あれも濱田岳だったらしい。さすが滲み出る変態性・・・
超ド変態の高齢化が心配されている邦画界において、ド変態の次世代の担えるスーパーホープだよ。
演技がどうのこうのではなく、もし山田涼介さんが、濱田岳を超越するくらいの滲み出るド変態だったら、この映画は三木聡作品として完結していたんだろう。
ただ、三木聡と言うすごい監督からして、この配役はそれも狙ったものだったはず。
映画全編において、細部まで完璧に作りこまれる三木聡作品において、計算されていなかったわけない。
ド変態を主演にしない事で起こるであろう想定外の化学反応を期待していたんだろう。
で、実際にその化学反応は起きてると思う。
ただ、その反応がオレの思ってたヤツと違ったと言うだけの話ですよ。
「風立ちぬ」で庵野監督を主演声優にしたことで起きた化学反応はまぢでぶっ刺さった。あの映画、庵野監督の二郎じゃ無ければ、オレは感動しなかったと思う。
やばい。後編がめっちゃ長くなってしまった・・・
この辺で締めておこう。
この映画自体は非常に面白かった。
名作だと思う。
ただ、本格SFを期待するとがっかりするし、いつもの三木聡作品を期待するとちょっと違和感がある。
それだけの話ですよ。
決して、「令和のデビルマン」ではない。失礼な事を言うな!屑が!
以上になります。
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