2023年7月15日 12:09 CAT :
       

全盛期の勢いはないが感動的なラスト

昨日触れた筋肉少女帯のオールタイムベスト「一瞬」。

いや、ほんと素晴らしいアルバムだわ。

昔、「show must go on」の時にやったみたいに、1曲ずつ取り合げて、その曲の良さと「なぜこのバージョンが良いのか」について語ってやりたい位素晴らしかった。

「風立ちぬ」で、カプローニさんが「創造的人生の持ち時間は10年だ」と言っていたけど、その意味で言えばオーケンの「創造的人生」はもう完全に終了している。

だから何だと言う話なんだよ。

クリエイターにとって本当の作品と言うのは、その「創作的人生」が終わってから本番が始まると思ってる。

昔はそうじゃなかった。

いわゆる、創作活動におけるボーナスタイムに作られたものが好きだった。

でも、今は、ボーナスタイムが終わった後にのたうち回って、転げまわって作られたものの良さがたまらなく好きなんです。

「昔は良かった」と批評されつつ、それでも何かを表現せずにはいられないクリエイターの業が作り出した作品の凄みがどうしたって好きで好きでしょうがない。

手塚治虫御大のような、人生=創作的人生だった天才は例外。

あんなずっと面白いものを描き続けて、進化し続けた化け物 神様はもういいんだよ。

オールタイムベスト「一瞬」の素晴らしさは、「創作的人生」のピークに作られたであろう作品と、ボーナスタイム終了後にのたうち回って作られたであろう作品、そして、その時期すら終わって達観した今の段階で作られた「50を過ぎたらバンドはアイドル」が、同レベルの音質で楽しめることにあるわけです。

「アイドルじゃないバンドなんだ!アーティストなんだ!」と活動してきたアーティストさんが、「50過ぎたらバンドはアイドル」とかわいらしく歌うんですよ。

これを達観と言わずに何と言うんでしょうか。

この人10代の頃、親に捨てられた障害児を買い取って手足ばらばらにしてつなぎ直し奇形児作る男の物語とか朗々と唄ってたんですよ。

いやぁ、ほんとに素晴らしすぎて、語りたくて止まらねえです。

どうでもいいけど、こういうボーナスタイムを過ぎ去った作家の哀愁を語った「モケーレムベンベ」と言うバンドの名曲「ナイトキャスター」もオススメ。

こちらの曲ですね。

このアルバムも名作だよ。

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