- 2013年4月7日 23:02 CAT :
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お~ちよ お~ちよ 地獄の底へ おちてこい
赤ちゃんは、死ぬ時の感覚をなぜか知っていて、それが眠る時の感覚と酷似しているらしい。
だから、赤ちゃんは眠たくなると泣き始めるんだとか。
「せっかく生まれてきたのに、死ぬたくない。
死にたくないよぉ~」と泣くんだとか。
この話を聞いた時、どんなに疲れていても、夜眠たくなって泣いている子どもに対して、優しく接してやれるようになったような気がする・・・
いつもより、強く抱きしめてやるんだ。
さてさて。
先日、弟から電話があった。
「なんかブックマーケットに、日野日出志の本がいっぱいある」と。
おそらく、春の引っ越しかなんかの時に処分した人がいたんだろう。
いつだって、この季節の古本屋は熱いもんだ。
しかし、日野日出志とは・・・しかも、ひばり書房版の「地獄の子守唄」まであるとか。
早速、買いに行ってきたよ。
ちなみに、4冊買って5,000円ほど・・・別に、お金に余裕があるわけじゃあないけど、この選択に悔いはなし。
オレが日野日出志の作品で大好きなのは「蔵六の奇病」と「白い世界」。
どちらも、読後には、凄まじい日本特有の美しく物悲しい絶望感を味あわせてくれる圧倒的名作だと思う。
特に「白い世界」は、その美しすぎる情景が余りにもまぶしくて、「白い世界」と言う曲まで作ってしまった。
そんな「白い世界」が収録されている「地獄の子守唄」もちろん表題の「地獄の子守唄」も大好きな作品。
初めて読んだ時には、それから3日間位は生きた心地がしなかった。
(その意味は、読んだ事ある人なら分かると思うけど)
しかも、結構幻と言われている、ひばり書房版の初版本。一冊2,000円(たぶん、ヤフオクとか使えばもっと安く手に入るけど)。
まぁ、打倒だわな。
買いました。
日野日出志作品の集大成は、間違いなく「地獄変」だと思う。
それは、そうだろう。
でも、オレは何だか、「地獄変」と言う集大成に向かうまでの、一つ一つの破片(と言うには、あまりにも素晴らしい)の方が魅力的に映ってしまう。
それが、例えば、日野作品の世界観を決定づけた「蔵六の奇病」や「白い世界」であり、「地獄変」の元になった「地獄の子守唄」だったりする。
そして、その世界観から逸脱しようとして逸脱できなかった「地獄小僧」辺りもまた、素晴らしい。
今回初めて読んだ「地獄まんだら」もある種、「地獄小僧」に近い趣だと思う。
どちらにせよ、世間的に「駄作」と位置付けられている(らしい)秋田書店の書き下ろし作品も含めて、すべて、持って置いて損のない本だと信じている。
ただ、「どうすればこんな、おぞましい作品が書けるんだよ。
」と震えずにはいられないものは、さすがに「地獄変」そして、その後の「赤い蛇」位までだけれども・・・(それは、「地獄変」の続編とまで言われた「悪魔の招待状」を読んだときに凄く思った。
この作品のオチはオチでさすがとしか言いようがないけれども・・・)
恐怖マンガと言えば、やっぱり「梅図かずお大先生」が筆頭株に上がってくるんだろうけど、梅図マンガにおける恐怖は、人間の持つ妄想を具現化したものだと思う。「こうなったらどうしよう」と、心の奥底に潜めている妄想を、とことんまでリアルに描写することで、絶望的な恐怖を読者に埋めつけるマンガ。
(そう言う意味では、つげ義春、蛭子能収もこっちのジャンルに入ると思う。
この二人は、恐怖と言うより悪夢と言う感じだけど)
だとしたら、日野日出志作品は、人間に新しい絶望の妄想を埋め込むマンガだと思う。明らかに荒唐無稽。
誰も思いつかない絶望を見せつける事で、恐怖を心に埋め込んでいく。
そして、畳の目一つまでに込められた、悪意。
どうして、この人は(特に、「地獄変」あたりまで)ここまでの悪意を込めて、病んだ絵とストーリーを作り続けれらたんだろうか・・・
すばらしい作品に出会えた事に今日も感謝しつつ、もうそろそろ眠りに就くことにいたします。
ハイ。
ただ、この本。
子どもには当分読ませない方が良いよな・・・
オレの好きな本ってそんなのが結構多かったりする。
最近、そんな悩みも出てきた志茂田さんがお送りしましたよ。
どうでもいいけど、金田一少年の事件簿の名作「首つり学園殺人事件」の「地獄の子守唄」も、この漫画から来たんだろうか・・・?犬神サーカス団のは間違いなく、この漫画からだろけど(ジャケット本人が書いてるし)・・・
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