2023年9月27日 12:28 CAT :
       

過去の自分を見つめ直すと言う名の水増しシリーズ第1段「青い月の夜~その3」

【前回までのあらすじ】

と言う事で、10年前に書いた記事「青い月の夜」の続きでございます。

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いきなりバンド解散の危機を迎えた3人。

すでにギターを買ってしまったH君、絶対ギターを弾きたいT君に板挟みになったオレが考え出した折衷案は「じゃあ、ベースのヤツ見つけてきたら良くね?」だった。

確かに、ギターが2本のバンドは良くあるわけだし、そもそも、そう言えばドラムと言うパートも必要だった事にこのタイミングで気が付く。

どちらにしても、メンバーの補充はしなければならなかったんだよね。

そこで、もう一度卓球部の面々を(T君も所詮、卓球部位しか友達が居なかった訳で・・・)説得がてらに誘ってみた。

前回とは違い、すでにオレとT君が中心になって動く事が決まってて、「手伝ってくれるだけ」と言うお気楽ポジションだった事もあって、じゃあやろうかと言うヤツが2人見つかって、しかもその2人がベースとドラムで良いよ。となり、あっさりとこの問題は解決した。

それどころか、そのベースのヤツが(こいつもT君なんだけど。)、結構、幼馴染とか多くて「そいつがやるんなら、オレもやりたい。」と言うヤツがいきなり何人も増えた。

その結果、最終的にはボーカル1人、ギター3人、ベース2人、キーボード1人(これがオレ)、ドラム1人、オブジェ2人、棒立ち1人の11人と言う途轍もない大所帯バンドになってしまう。

友達の居なかったオレとしては、「オレのバンドに急に人が増えた」=「オレの事を認めるヤツが増えた」=「オレはやっぱり凄かった」。と言う、謎の中二病思考で、非常に悦に入っていたような気がする。

改めて新しいメンバーも増えた事だし、もう一度、やりたい内容について、決める事になった。

話し合いでは、「人前でやるのに変なマニアックな曲はしたくない。」「今、はやってる曲をやりたい。」という意見が多かった。

間ぁ、それが普通なのかもしれないけれども、T君の意見として、以前に却下したヤツと同じような内容。

でもオレは、せっかく増えた、まだ友達ともいえない距離感の数人を失う事を恐れ、「それで行こう。確かに、人前でマニアックな曲とかするなんて、オタクだよな。オタクのH君は死ねばいいのに。」と決めてしまった。

ちなみに自分の意見は一切曲げずに、オリジナル曲を1曲やることは了承させた。

この話し合いは学校(と言うか、卓球部部室)で行われたので、一応創設メンバーであるH君がいない場で行われた。

「あいつは、所詮オレの思い通りになる。また、ちょっと脅せば、嫌がってたあいつも折れるだろう。って言うか、そもそも学校に来てないあいつが悪いんだ」と言う考えていた。

世話をしてやってると言う上から目線で、あんな奴はオレがどうとでも付き従わせてやるぜ!と。まぁ、そんなかんじですよ。

ホント、クズの極みでしかないと思う。そりゃあ友達もできないわな。

取りあえず、後日、H君の家にこの決定事項を伝えに行った。

結構軽いノリで。

でも、反応は予想外のものだった。

まず、そんな大人数で馴れ合いみたいにしたくない事。

そして、流行りものに乗っかって売れてる曲やるとか恥ずかしくて絶対嫌だと言う事。

オレは、前と同じように脅しに脅した。

「お前みたいな嫌われもので登校拒否野郎がオレの言う事聞かないで良いんだな!もうオレは、お前とは遊ばないぞ」的な感じ。

大所帯バンドを率いて、自分の方が嫌われ者だったことは心底忘れていたんだと思う。

けれども、H君の態度は変わらなかった。

最後には、「じゃあ、もうお前とはこれまでだな。もうこの家にもう来なくていいのか。あぁ~やっとスッキリする。」位の捨て台詞も言った気がする。

数日後から、バンドの練習が始まった。

曲は、当時流行りに流行ってたGLAYのHOWEVERに決まった。

それと同時に、オレは自身初の作曲作業に必死になってた。

H君は、前にも増して学校に来なくなった。

文化祭のステージでバンド演奏することで、きっと色んな人から見直される。

そして、オレ自身も生まれ変わるんだ!

そんな妄想にとらわれながら、日々悶々過ごした。

H君のことなんて、1ミリも頭の中になかった。

たまに、メンバー間で話題になったけれども、その度、オレはその輪の中で彼を非難罵倒し続ける。

そんな毎日だった。

中学校の文化祭、オレの初ライブは、まぁまぁ滞りなく終わり、オレは、自分の作った曲をほぼ全校生の前で披露することもできた。

当時も漫画は描いていたけど誰にも見せてなかったので、産まれて初めて自分の作ったものを人前に出した瞬間だったと思う。

でも、何も変わらなかった。

結構長くなってしまったので、今日はここまでだ!

次回を待て!

明日でこの話も終わりますので・・・

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