2024年7月15日 12:43 CAT :
       

マンガを大考察シリーズ(1)「ホムンクルス」 ~その2

そんな話が色々ありまして、「ホムンクルス」と言う漫画を考察していきます。

その前にチョッとだけ、「ホムンクルス」と言う漫画の説明を・・・

『ホムンクルス』は、山本英夫による日本の漫画作品。2003年より『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載。2008年28号以降休載していたが、2009年34号より連載再開、2011年12月号をもって完結。

新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送るホームレス・名越進は、医学生・伊藤学に出会い、報酬70万円を条件に第六感が芽生えるというトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を受けることになった。その手術以降、名越は右目を瞑って左目で人間を見ると、異様な形に見えるようになった。伊藤によると「他人の深層心理が、現実のようにイメージ化されて見えているのではないか」と言い、彼はその世界をホムンクルスと名付けた。そして、名越は様々な心の闇を抱える人達と交流していく。

そんな漫画だ。

ありがとう。ウィキペディア。

もう少し詳しく知りたい人は、漫画を買って読んでください。

とにかく頭のおかしくなる漫画だと思う。

人間にとってかなり根源的な問題に切り込んだテーマ性は、ホント読む人によっては発狂するんじゃないだろうかとさえ思う。

当たり前と言うか、作品自体のネタバレしかしないので、もし未読で、これから読んでみたいと言う諸兄がいらっしゃった場合には、ここでブラウザバックしてください。

さようなら。

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前置きがとにかく長くなり過ぎたけど、本編も負けない位長々書いて行ければいいなと思っております。

さてさて。

本作において何を考えるか。

トレパネーションがどうなのかとか、第六感がどうなのかと言う話や、オカルトな話ではないと思う。

実際、この物語においてその辺りの事象はあくまでも、物語のテーマを展開するための添え物でしかない。

この物語自体のテーマはどう考えても「自分と言う存在」。

これしかないと、オレは思っている。

実生活において、「自分と言う存在」の意義について考え、その瞬間瞬間の行動を決めている人間がどれほどいると言うのか。

それは哲学の永遠のテーマの一つである「自由意志」にまで遡る問題だとさえ思う。

以前、「Gの世界」と言う漫画を描いた時、この自由意志について言及したことがある。

恐ろしい事に、脳は自分の意志を決定していないと言う事が分かってきたらしい。

では、自分の存在とは、一体どうやって作られたものなのか。

自分は、この世界に本当に存在しているのか。

そもそもこの世界は本当に存在しているのか。

この問題について、どこまでも考え続けていくと、おそらく人は発狂してしまう。

だから、その問題を考えないようにして日々を生きている。

そんな人間を、この問題に強制的に向き合わせようとする行為が、「ホムンクルス」と言う作品の中では「トレパネーション」だった。と、まぁ、そんな話ですよ。

そして、その自分自身と言う存在を具現化したものが「ホムンクルス」と言う状態。

「ホムンクルス」と向き合う事によって「自分と言う存在とは何なのか」と言う問題自体と向き合い、取り合えずであれ、その答えを得る。もしくは、答えに迫ることが出来る。

それは、ある意味で救済であると同時に、ある意味で絶望にもなりえる。。

それが、この漫画の雑誌掲載上の最終回の最後の見開きにある「ここは天国か?地獄か?」と言う言葉に繋がっていくんだろう・・・と思う。

この漫画におけるヒロインである「伊藤学」も、自分と言う存在の根底にあったものと向き合う事で、本来の自分を取り戻し、自分自身の存在を自分で肯定することが出来た半面、そのために絶望する事になる。

まさに「ここは天国か?地獄か?」。

組長さん、女子高生、伊藤学と一人一人見ていっても良いんだけど、きりがないので、やっぱりここは「名越」にとってのホムンクルスをもう少し掘り下げて考えていきたいと思っております。

そんなところで、次回を待て!

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