- 2010年7月24日 22:05 CAT :
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ノクターン
死ぬ事で許されると思っているのは、この世で人間だけだろう・・・と、最近良く思う。
先日、嫁の友達と3人で出かけた時、もう今にも死にそうな大きな蛾を見つけた。
ヨロヨロと、もう飛ぶ事も出来ないその蛾には、全てを理解しているであろうアリ達がたかり、そうして、キッと蛾の命を極端に縮めていた。
死んでたまるか。
食われてたまるか。
と、最後の命を振り絞って羽をばたつかせる蛾。
そして、その蛾に群がるアリ。
少しずつ蛾の動きが弱くなっていった。
そうして、死んでしまう瞬間を、オレはなぜだか見ることが出来なかった。
目を背けてしまった。
命がなくなる瞬間。
それを見た記憶はほとんど無い。
ただ、少しずつ動けなくなっていく生命を見た事はある。
いつの時でも目をそらし続けていた。
これからもそうするだろう。
ただ、その最後の瞬間まで生き続ける命。
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