- 2015年10月27日 22:52 CAT :
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夕焼け原風景
息子が生まれるよりもまだはるか前から、娘はものすごく頑張ってきたと思う。
「弟が生まれる」説明を始めてした時、娘は「赤ちゃんなんかいらない。」と泣いた。
でもそれから、少しずつ大きくなる嫁のお腹。そして、その中で成長する弟の存在を目の当たりにして、お姉ちゃんになるべく努力を始めた。
正直、妊娠が分かった今年の初めのころの娘は、まだ赤ちゃんみたいなもんだった。おむつも取れてないし、おっぱい飲まないと寝る事も出来ない。靴もはけないし、服も一人では着替えられない。
まぁ、2歳になったばかりだし、それ自体は普通なんだけれども、それから半年ほどのめくるめく娘の成長には、本当にびっくりした。
今では、おっぱい、おむつを卒業し、服の着替えも自分で出来、靴も自分で履いたり脱いだりする。それどころか、洗濯物を干したり取り込んだり、洗い物をしたりと家事のお手伝いまで出来るようになった。
「お姉ちゃんになるんだ」と言いながら、ずっと頑張ってきた。
本当に。
実際に、生まれる前後辺りからオレも、嫁に付きっきりになってしまい、娘は基本的にばあちゃんの家に預けられる事が多くなる。
そのこと自体に、特に何か不満を言う訳でもなく、いつもニコニコとしながら「行ってくるね~」と出かけていく。
でも、オレと嫁は知ってるんだ。
娘がものすごく我慢するこだと言う事を。
オレと二人だけになった時に、娘がボソッと呟いた。
「もっと、お姉ちゃんにならなくちゃ」
まだ語彙もそんなに多くない娘のその言葉の意味するところは、多分オレと嫁くらいしか分からないと思う。
つまりは、「寂しいし、我慢ばっかりは嫌だけど、産まれてくる弟のために、もっとお姉ちゃんになって我慢しなくちゃいけないんだ。」と、自分に言い聞かせているんだ。
その言葉を聞いた時、心が張り裂けそうになった。
頑張り屋さんの娘を見て、じいちゃんばあちゃんを始め、皆「良い子だね」と言うけれども、娘はものすごく我慢してるだけなんだよ。ものすごく頑張ってるだけなんだよ。だって、まだ2歳。2歳なんだ。
でも、娘に対して「頑張らなくて良い」とは言えない。あんなに頑張ってる娘に対して・・・
だから、思いっきり褒める事にした。
これまで以上に、褒める事にした。
そして、息子が産まれた。
娘は、これまで以上に我慢している。
夜中に息子の泣き声で起こされた娘が「眠れないのかな?」って笑いながら、弟が泣きやむようにあやしてるんだよ。自分も眠いのに。
オレは、意識して出来るだけ娘の方を向くようにしてる。でも、やっぱり新生児の弟の方をついつい向いてしまってると思う。
もう、娘に頑張らせないでくれ・・・と思いつつ、オレ自身がまだ娘に我慢をさせている。
そんな日常に少しだけ疑問を持ちかけている。危ない状況かもしれないね。
娘はね、オレの宝物なんだよ。
オレの自慢なんだよ。
この世の何よりも大切な存在なんだよ。
その娘に我慢を強いてまで、オレは何がしたかったんだろうとかね。
ただ、問題なのはそれに負けないくらい息子も可愛いと言う事なんだ。
願わくば、早く息子もある程度手がかからなくなって、本当に、2人に同じだけ向き合っていられる日が来ますように。
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