- 2014年1月14日 22:41 CAT :
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夢喰いバクヲ後始末
夢があった。
夢があったと言うと、今はもう夢なんか無くなってしまったと言う事になっちゃうらしい。
子どもの頃、誰もが思っていた夢は、どこまでも実現可能だけれども、実現不可能な場合が多い。
オレは、漫画家になりたかったし、あと、なぜか、ミュージシャンになりたかった。
そうやって描いた漫画はなんとなく10000ページを下らない訳で、作った音源はアルバムとして25枚分ほどあるらしい。
でも、今オレのお仕事は、そのどちらでもないwebデザイナーさん。
それは夢破れたのか。
大学時代、こんな事を当時大学の就職部でお話しした時に「夢は捨てて、現実を見なさい」的な事を諭された。
それまで至る所で、将来の夢は何ですか?と聞かれ、語らされ、テレビをつけても、音楽を聴いても、一様に「夢は叶う。
諦めないで」とのたまっていた。
それなのに、大人になったとたん「夢は捨てる」と諭された訳だ。
この時の絶望は結構大層なもので、その時の気持ちを忘れる事無いように、一つの物語を作った。
「夢喰いバクヲ」と言うお話。
このお話を当時組んでいたバンドで音源化し、ついでに、小説も書いてやった。
とある出版社に投稿してみたところ、本になるとかそんな話まで出るくらいだったので、このお話自体は、まぁ、それはそれで良いものだったんだと思う。
でも、今。
この歳になって、家族が出来、仕事をしながら、オレの夢とは何だったんだろうかと、ふと空を眺めながら思う。
今の生活が不満な訳じゃあない。
むしろ、学生時代の自分にとっては絶対に自分とは無縁だと思っていた生活と幸せを実は手に入れてしまっている。
嫁どころか、娘までいる。
あの当時漠然と抱えていた「夢」は、おそらくは、思春期特有の世間に自分と言う存在を認めてもらう。
もっと言えば、注目してもらうための手段だったのかもしれない。
そんな願望が消え失せてしまい、今の生活を大切に思いたいとか、そんな事を想う30歳のおっさんとなった今、やりたい事は、やっぱり、漫画を描いて、曲を作って歌う事だったりする。
結局のところ、手段だの、夢だの色々と言い訳をしていたけれども、難しい事は何もなくて、多分好きなんだろう。
生憎とこの二つに対しての才能はおそらく欠片もない。
世間に認められるなど、おこがましいにもほどがある。
誰のために描くのか。
誰のために歌うのか。
オレが漫画を描き始めた小学1年生の頃の気持ちを思い返してみる。
オレは、オレのために書いてたんだよ。
オレは、オレのために曲を作るんだよ。
本当に好きなら、それで良いんじゃあないかと思う。
人のために作った物語や、曲なんてほとんど存在しない。
ほとんどが自分のために、自分の満足のために作っている。
それで良いんだよ。
と、いつからか言い聞かせております。
でも、ここ最近では、自分のためではなく、娘のために作った曲が形になろうとしていたりもする。
もう少ししたら、完成するだろうて。
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