2009年1月26日 23:24 CAT :
       

理想的恋愛感のススメ

「おぞましい2人」と言う絵本を買った。

ペラペラと立ち読みをしてて一目ぼれ。

そして、即購入。

おぞましい2人
エドワード・ゴーリー と言う20世紀の後半に多くの作品を発表した絵本作家の作品。

発売当時には、かなりの反響(ほとんどが批判だったみたいだけれども・・・)があった作品で、今読んでも十分に、非難されるべき内容だとは思う。

ただ・・・オレは、コレを読んで思わず泣いてしまった。

「大きな木」を初めて読んだ時か、「蟲」を初めて読んだ時に匹敵する位に泣いてしまった。

こんなにも心が痛む悲恋の物語が他にあるだろうか・・・

とにかくこの作品・・・ドコまでも(それは嫌でも共感させられて、感情移入させられてしまうほどに)徹底的にリアルに描かれている。

そして、何の誇張もなく、ただ淡々と2人の人生を描写している。

余計な言葉は、何一つ無い。

物語を極限まで煮詰めていった結果が多分これなんだと思う。

その一言一言の裏にある、無意識のうちに脳裏に刷り込まれる圧倒的に膨大な情報量のせいで、アッという間にこの世界に引き込まれてしまう。

作者の素晴らしい力量が見え隠れしている。

物語の粗筋などは、言ってしまえば、別々に生まれた男女が、とある場所で出会い、お互いに惹かれあって、2人で人生を添い遂げようとするだけの在り来たりな話。

ただ、2人が少しだけ普通の人と違っていただけ。

そしてそこにあるのは、誰にも理解されないまま孤独に生きてきた悲しみから脱却出来るだけの2人の愛情。

それでも2人は社会によって引き離され、別々の場所でとても悲しい最期を遂げる事になる。

誰彼にも、一抹の興味さえ持たれないままに・・・

そんな話です。

悲しみに満ち溢れている。

救いが無い。

このエドワード・ゴーリーと言う人の作品は、全体的に何の救いも無いただ悲しいシュールな作品が多いとの事・・・その中でもこの「おぞましい2人」は、群を抜いて悲劇。

・・・だと思う。

あまりにも不幸すぎて読めば悲しいし、思い出しても悲しいし、設定に思いを馳せても悲しくなってくる。

他の作品も是非是非読んでみたいものです。

こう言っちゃあ何だけれども、素晴らしい作品にめぐり合ったものだ。

と感嘆仕切りの今日でした。

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