- 2023年12月8日 12:05 CAT :
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誰を傷つける訳にもいかないので薬指の爪をはぎ取りました
サラリーマンをしていた頃、勤めていた会社は今思えば超絶ブラック体質だったと思う。
で、社長さんのパワハラなどで体調を崩して・・・と言うか、おもっくそ鬱で退職することになった。(その辺りの話はこの記事で書いてる)
それからしばらくは、ただただ貯金を切り崩す日々。
ホントにお金がなかった。超絶貧乏時代。
その日のご飯に悩むような日々で、子どもたちに満足なおもちゃなんて到底買ってあげられない。
当時住んでいた賃貸では、ごみの収集が無くて、週に一度自治体が運営していたゴミの集積場までゴミを持って行ってた。
ある日、ごみを捨てに行ってた嫁と娘が帰ってくるなりオレに「お父さん!凄いよ!」と言って見せてくれたものがある。
それは色あせて古びたアンパンマンの乗り物のおもちゃだった。
(↑)こんな奴。ただ、もっと色あせてボロボロだったけど。
話を聞いてみると、粗大ごみ置き場においてあったもので、職員さんに訳を話すと「どうせ捨てられたものだから持って行っていいよ」と言ってもらえたとの事らしい。
やっと歩き始めた息子を乗せたそのアンパンマンを娘が嬉しそうに押している姿を見て、「良いものを貰えてよかったなぁ」と思いつつ、そんなおもちゃすら満足に買ってあげられない自分がとんでもなく情けなくなったのを覚えている。
当時は本当にお金が無かったんだよ。
一念発起したと声高に言える訳ではないけど、曲りなりにそこから今のスタイルでお仕事を始めて、あれから10年近い時間が経った。
当時と比べれば、多少なりとも子ども達に不自由な思いはさせていないと信じている。
今建築中の家に引っ越すために、家の中のものを整理している。
もう使わなくなったものを処分していってるんだけど、その中でこのアンパンマンの乗り物が出てきた。
元々かなり古びていた上に、子どもたちが乗り回したので、後ろの押すところはバキバキに折れてしまっているし、息子が色々落書きとかもしてしまっている。
誰かに譲るなんてもうできない位に遊び倒してしまった。
先日、貰って来たごみ処理場にそのアンパンマンをお返ししてきた。
どうしても捨ててきたとは言いたくない。
本当に感謝しているんだよ。
ずっと家に置いておきたいなと言う気持ちと、お別れした方が良いんだろうなと言う気持ちがかなりせめぎ合ってて、今もこれで良かったのかは分からない。
オレがそう言う事を結構引きずる事を知ってる嫁は、オレの負担にならないようにひっそりとお別れしようとしてくれていたらしい。
今回はたまたまそれを目にしてしまったんだよ。
不義理なもので、確かにあのアンパンマンのおもちゃの存在も忘れていたしね。
「あの時、子どもたちと遊んでくれてありがとう」。
そう思いながらお別れしてきた。
今はまだ、引きずっている。
いくつになっても、こう言う事を割り切れない。
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