2024年7月17日 12:39 CAT :
       

マンガを大考察シリーズ(1)「ホムンクルス」 ~その4

そんな話が色々ありまして、「ホムンクルス」と言う漫画を考察していきます。

ここに来て、チョッとだけアーカイブをご用意いたします。

【マンガを大考察シリーズ(1)「ホムンクルス」】

~その1

~その2

~その3

確定している事実を羅列したところで、実際に、名越のホムンクルスについて、やっとこさ考察できそうな気がする・・・

一応、単行本13~15巻の内容を基に見ていきましょうね。

この漫画では、コマ内の表現の視点がコロコロ変わっている事に注意しなければいけない。

基本的には名越の視点で進んでいくんだけど、その中に不意、誰の視点でもない客観的視点と、ななみの視点が点在している。

漫画を読む上での記号の一つの視点と言うものがある。

キャラクターを描写された時の視点の高さから、その視点がどのキャラクターのものなのかを見て、読者は知らず知らずのうちに、そのキャラクターに感情移入するようになる。と言う、漫画とかアニメでは基本的なテクニック。

「ホムンクルス」の場合、名越の視点の高さの時とななみの視点の高さで描かれたもので、それぞれのキャラクターの表現の仕方が変わってくる。

作者の優しさなのか、表現の仕方が変わらないキャラクターに対してはあえて、そのキャラ視点の描写を一切していない。

この作中においてはあくまでも、「ホムンクルス」が見えている人間だけ限定的に視点の高さが作られている。

最終巻の最後32ページのエピローグでは、これまでとは打って変わって明らかに意図的にキャラクターの視点の高さで描かれたコマが存在しない。

全てのコマが客観的な視点での描写のみに終始している。

唯一違うのは、見開きの刑事の絵だけ。

そして、このシーンだけは名越の視点の高さで描かれていて、ちゃんと全てのキャラの顔が名越の顔になっている。

伊藤の顔が名越になっていないのは、エピローグの段階で伊藤の問題は解消されていたからだと見る人も居るかも知れない。

でも、これはあくまでも名越の視点の描写じゃないからで、おそらく名越の視点で見れば女装した名越の顔が写っていたはずだと思う。

これまでは、ホムンクルスが見える人間と見えない人間がいたのに、最終巻308ページ以降全ての人間が名越の顔になっている。

それなのに、322~323ページの俯瞰の見開きだけ、人の顔が名越の顔になっていない。

この辺りから見ても、名越の視点になった時だけ、登場人物の顔が名越になっていると言う事で良いと思う。

「ホムンクルス」と言う漫画を読み解く上で、このコマ毎の視点の高さを意識すると言う行為は、実に重要な意味を持つ。

なぜなら、この作品においては、普通の漫画における、セリフ、コマ割り、絵に加えて、それぞれの視点でのモノの見え方と言う要素が追加されているから。

この作品だけの要素を見落として、普通の漫画と同じ読み方をしてしまうと、コマ毎に表現が変わる事で混乱していき、結果として、難解で良く分からない漫画になってしまう。

難解な漫画ではないんだよ。

確かに、明確な答えは書いてくれていない。

でも、事実を一つずつ並べて、視点を解読していくと、驚くほど読みやすくなるのは事実だと思う。

ここまでクッソ長くなってしまったけど、この考察も次回で終わりにします。

最終回の内容は・・・ここまでに書いてきた前提条件から読み取った、名越本人のホムンクルスの正体について。

何か、上手く引きを作れたので・・・次回を待て!

きっと相当長くなると思うけど・・・

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