- 2025年8月22日 12:12 CAT :
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夏の読書感想文「たった2℃で…」を読んで~2年ざくろ組 しもたろうに
この「たった2度で」という本を読んで、最初に受けた印象は、意図的に誤認させるような表現が多々あると言う事だった。
嘘が書いてあるとは言えない。
子どもに向けて書いてあるからと言い訳をすることができるかも知れない。
でもそれだけでは説明できない恣意的な意図がどうしても見え隠れして知るように感じてしまった。
例えば、本編の中では「たった2度で」を強調しているが、「何がたった2度なのか」についてが一律ではない。
平均気温の場合があれば、体温であったり、水温であったりと基準がバラバラになっている。
人間の体温が2度上がる事と、平均気温が2度上がる事を同列に扱う事で、いかにも平均気温が2度上がった事が尋常ではない変異であるかのように誤認させようとしている節があるように感じた。という事だ。
人間の体温は35度を下回ると生存が厳しくなるし、40度を超えても同じく生きて行けない。
上下のバッファが5度程度しかない。
ところが、地球の気温で考えれば、地球で最も寒い所と最も暑い所の差は100度近くある。
地球の平均気温2度と人体の2度上昇を同列に語るべきではないだろう。
そんな事を論文などでちょっとでも書けば、各所から袋叩き似合うこと請け合いだ。
もう一つ。
本書の最後に「産業革命が始まった18世紀以降に平均気温が2度上がった」という、いかにも今の科学文明を批判したい見え見えの表現がある。
そして、わざわざ「産業革命が始まった18世紀以降に」と言う表記をつけているのに、縄文時代は現代より更に平均気温が2度高かったと言う事実について、本書では一切触れられていない。
縄文時代以前に超古代文明が存在し、その圧倒的科学力によって温暖化した異常気象を地球の自浄作用が1万年近い時間をかけて正常化したのに、近代の科学文明が再び温暖化させている。という話なら非常にロマンがあるのだが、どうもそうではないようだ。
もし人間の体温と同じように表現するのであれば、人間の時間軸、温度軸にあわせた上で表現するべきだと思う。
地球という星が100億年で潰えると仮定しよう(実際はもっと長いかも知れないが)
人間の寿命も100年と仮定する。
その場合、人間の1年は地球の1億年となり、人間の1日は地球にとっての1万5千年になる。
産業革命以降の300年など、人間の時間軸に置き換えれば1分にも満たない。
更に、温度軸も上下幅が20倍ある事を考慮すれば、2度と言うのは人間の体温で考えれば0.1度、1分に過ぎない。
産業革命の結果、地球と言う生物の体温が1分間に1分上がった。
これは尋常ならざる変異なのだろうか。
人間は食事をするだけで、5分~1度ほど体温が上昇するがしばらくすると元に戻る。
そのレベルの変化でしかないのだ。
地球という生物にとって至極当たり前の生命活動上の微々たる変化を、軸をあわせないまま取り上げ、いかにも甚大な被害があるかのように誤認させる悪質な内容でしかない。
結論があり、その結論を強調するために事実関係をざっくばらんに並べたてている。
地球が温暖化している事自体は否定しないし、その原因の一つに人類の文明が放出した温室効果ガスがあると言う事も否定できないだろう。
それであっても、それが全ての要因であり、今起こっている事が如何にも異常な事であると誤認させる文章については、どうしても違和感を覚えざるを得ない。
本に書かれている事が如何に作者の恣意的なものであり、鵜呑みにすることなく自分で情報を集める事が重要であるかを再認識させてもらえると言う観点でのみ、この本を読む意義があると思う。
このような本を課題図書に掲げている、今の日本教育の姿勢に一石を投じる意味でも、この本の存在は極めて重要かもしれない。
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みたいな感じで、取り合えず原稿用紙3枚分の文章を書いてみたよ。
結局物凄い批判的な内容にしかならなかったな。
イヤ、実際読んでみてもらえれば分かると思うよ。
如何に吐き気がする内容なのか。
別に、温暖化自体が嘘だとか、そういう話がしたい訳じゃなくて誤認と誘導の仕方が凄く嫌なだけなんだよ。
いくつかの事実を系列的に並べて「君はどう思う?」って感じの内容だったらまだ良かったのに。
取り合えず、どっかの利権のためのエセエコな話は消えてくれた方が良いと思っております。
まぁ、どっちにしてもこの内容を提出したとして、小学校で評価はされないわな。
著者が韓国の人だと言う事については、何も触れないでおきます。
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