- 2019年11月12日 1:30 CAT :
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犬神サアカス團とtime gose byのお話し
人生を変えてくれたバンドがある。
「筋肉少女帯」と「犬神サアカス團」の2つ。
これだけは、多分、いつになっても変わる事はない。永久不変。
出会ったのは、どちらももう20年以上前になる。
当時、筋肉少女帯は、オーケンとうっちーの仲違いがあり、活動凍結中。オーケンは、特撮でデビューしたばっかりだったと思う。
犬神サアカス團は、まだ、犬神サーカス団でマーシー(薬中じゃない方)のプロデュースでWIDE TREADから、「首吊りの森」を販売したばっかりだったと思う。
あれから、20年間の間、筋肉少女帯は、まさかの仲直りを経て、太田明がまだ合流してはいないものの、仲良くのびのびと活動を続けている。
相変わらず、唯一無二の筋肉少女帯の音楽は、一部ではマンネリだの、古臭いだのと言われながらも、マンネリ上等!と言わんばかりに安定して、新しいのに結局は良い意味でいつもの筋肉少女帯の音楽を届けてくれていた。
犬神サアカス團は、断続的と言うにも憚れるほど積極的に、止まることなく活動を続けている。
リーダーの犬神明兄さんは、音楽的造形が尋常じゃなく深くて、いろんな形での音楽を見せてくれた。オレ自身の好みと合わない時があったり、引くほどシンクロする時があったりと波のように近づいたり、遠ざかったり…それでも、ずっと聞き続けていた。
・・・と前置きが長くなったけど、そんな人生を変えてくれたバンドの一つ「犬神サアカス團」の4人のメンバーのうち2人が脱退することになった。
それを知ってから、未だに、気持ちの整理がついていない。
ついていなさ過ぎて、どうしたもんかと思い、ふと、ブログで気持ちを綴ってみたら少しは何か変わるかなと思って、久々にログインしてみたような感じ。
でも、いざ、書こうと思ったら、何も書くことが思いつかなかった。
脱退理由については、メンバーさんの人柄の良さがにじみ出ると言うか、かつてここまで誠実なコメントは見たことがないと言うほど、誠実にファンと向き合ったそれぞれの言葉で、述べられていた。
それを見たおそらく全てのファンが、納得したと思う。
オレも、納得した。
でも、それとこれとは別で、とにかく悲しくて仕方がない。
そんな事言わずに、もう少し続けてくださいよ。何て、とても言えない。そもそも解散するわけでもない。「漸進的に」という言葉を使われていたように、これからも精力的ではないかもしれないけれども、確実に前を向いて進んでいってくれると信じている。
全部わかっている。
でも、やっぱり悲しくて仕方がないんだよ。
バンドって、何だろう。とかそういう事を考えた場合の話。
筋肉少女帯っていうのは、実に不思議なバンドで、中心メンバーであるオーケンがいない時期でも、キンショーはキンショーだし、90年代のキンショーメンバーが居なかったナゴム時代も、メジャー初期もちゃんとしたキンショーだし、何だったら、期間限定だった80年代の筋肉少女帯だって、ちゃんとキンショー。
どの時代も大好き。その時々に演奏している人たちの音を楽しむことができる。やっぱりメタルのギターはフーミンだと思いつつも、「シスベリ」を聴いた時には、ジェットフィンガーカッチョイイ!!とか、エディのピアノ最高!になる。
でも、犬神サアカス團はなんか違う気がする。
あの4人のサウンドが奇跡的に作用しての犬神サアカス團のような気がする。
それくらい本当に物凄い微妙なバランスで成り立っていたバンドだったのかも知れない。
この先、オーケンとうっちーがまたケンカして、キンショーが活動凍結したとしても、あんまりショックはない。おいちゃんやふーみんが脱退して、ドラムに太田明が復帰したとしても、さもありなん。そして、多分、またいつか皆で「釈迦」とかやってる気がする。10年もしたらまた再結成して、仲良くライブを始めると思う。
でも、今回の犬神サアカス團は話が違う気がする。
10年とか先に、また4人が集まることがあったとしても、もう、今の犬神サアカス團の音にはならないような気がする。
本当にそんな良い意味で危ういバランスが生み出す緊張感こそが、犬神サアカス團を最高たらしめる要因だったんじゃないだろうか・・・
4人じゃないならもう犬神サアカス團じゃないから、もう応援する気にはならないとか、そんな事は一切なくて、これからもずっと応援し続けるし、聞き続ける。それは絶対。
ただ、今後絶対に懐古主義のように「あの頃の音はどうのこうの」と言わない。と約束できる自信はない。
プロデューサーが変わろうが、環境が変わろうが、ライブだろうが、スタジオ音源だろうが、あの4人が表現する音楽は全て間違いなく犬神サアカス團だった。
これから先、どんな方向に展開していくのか正直想像もつかないし、どんな音になるのかも分かりはしない。
「新しい犬神サアカス團最高じゃねえか!!」ってなる可能性だって全然ある。と言うか、むしろそれには物凄く期待している。
でも。でもだ。
人生に絶望した中「暗黒残酷劇場」を聴いて何だか救われた気分になった事。
大学自体車の中でアホ程「神の犬」を聴いた事。
今の嫁と結婚前、どうしてもCDが欲しくて、当時四国唯一のタワレコまで6時間かけて行き「待ちわびた日々」を買った事。
初めてライブに参戦した時、物販でジンちゃんと情次さんに会えた感激で泣き崩れた事
嫁のお腹の中で子どもが大きくなっていく中で、それまで大好きだった「人工妊娠中絶」を1年間聞かずに過ごした事。
お仕事で色々追い詰められてた時に、毎朝「華麗に舞え」を聴いて自分を鼓舞していた事。
改名後初のアルバム「恐山」の凄まじい出来に、鳥肌が止まらなかった事。
明兄さんが、このブログのアルバムの感想を読んでると知って、恐れ多くなって感想を書き込めなくなってしまった事。
他にも、いくらでもある。
人生の要所要所で聴いてきた。
本当に、人生を変えてくれたバンドなんだよ。
悲しくて仕方がないくらい許して欲しい。
いつの日か、「あの脱退は本当にショックだったなぁ~」と振り返る想い出のような感じになってくれれば・・・
やっぱりスッキリしない。
する訳がない。
まぢで、大きくぽっかり穴が空いてる感じ。
感激して泣き崩れた時のライブで、物販で購入して、サインももらったDVDだ。
今は、犬神サアカス團の曲を聴くのさえ辛い。
こんな気持ちになったのは、初めて。
でも、振り向くな 目を背けるな 真実は今だけ。
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