2024年11月21日 11:11 CAT :
       

晩秋の読書感想文「君たちはどう生きるか」を見ての感想 1年ザクロ組 しもたろうに~後編

前回までのあらすじ。

と言う事で、引き続き「君たちはどう生きるか」についての感想を描いて行きますよぉ。

今日で、終わらせます。

長くなってしまったな。クソ。

まぁ、それだけこの作品は深く見ていける傑作だと言う事にしておこう。

え~と・・・なんだっけな。

この映画が難解で良く分からない話と思われてしまう理由は何なのか。と言う話だったな。

それについては、2つ挙げられると思ってる。

ひとつは令和と言う時代。

作中に「隕石が降ってきてその隕石を塔で囲んだ」と言う設定が出てくるけど、あれ多分原発批判だよね。

宮崎監督の原発嫌いは一部地域では有名で、実際、監督の作品では至る所でそれを匂わせる描写を出してくる。

「on your mark」に至っては、露骨に放射能マークをだしたり、「ここから先はヤバイぞ」って警告を書いたりしてた。

「on your mark」発表時、問題にならなかったのは、日本人のほとんどが「放射能マーク」の存在自体あんまり知らなかっただろうからだし、SNSが無かったからもし気付いた人がいたとしても今ほど爆発的に広がらなかったと言う背景があると思う。

今の時代、ASKAの新曲のPVを宮崎監督がやる事になったとして、果たして同じような内容で発表することが出来たかと言う話。

多分、露骨にそう言う描写が出来なくなってしまって、情報を暗喩的に出して「分かる人は分かってくれ~」ってやるしかなくなるだろうて。

コンプライアンスでガチガチに固められ、SNSでの暴発に怯えながら、ひっそりと表現を垂れ流さなければいけない。

それが令和と言う時代。

逆に、「君たちはどう生きるか」の発表時期が1990年代なら、多分、隕石の横に放射能マークの看板を立てて、もっと分かりやすくチェルノブイリを彷彿とさせるようなコンクリートの石棺を書いてたんだと思う。

それこそ「on your mark」でやったような分かりやすい奴。

「風立ちぬ」公開時、菜穂子の横で二郎がタバコ吸ってる描写をした事が大問題になり炎上したのは記憶に新しいはず。

手塚治虫の漫画も再版されるたびに、巻末の但し書きの表記が増えたり変わったりしてるし。

ホントアホみたいな正義警察がうようよ沸いてる時代なんだよ。

うんざりする。

いい加減、作品と現実世界の区別くらい付けられないものかな。まぢで。

もうひとつは今作について、宮崎監督が作画にほぼ口出しをしてないと言う点。

この映画で一番ビックリするのは、「これ、宮崎作品なのか?」と言う事だと思う。

ジブリ作品なのは間違いない。

でも、宮崎作品っぽくないんだよ。

その原因が宮崎監督が絵コンテのみに注力していると言う事らしい。

如何に宮崎監督の作画における動きが神がかっていたかと言う事をまざまざと感じさせられたよね。

「カリオストロの城」を見て、ストーリーをしっかり理解できているのか、冷静になって考えると多分ほとんどの人が出来てないような気がする。

「ハウルの動く城」を見て、ストーリーとその裏のプロットをしっかり理解できてる人も少ないようが気がする。

それでも面白いのは、場面場面が面白いからなんだよ。

全体のストーリーなんてふんわり理解しておけば、それ以外の場面が面白いから満足できる。

でも今回は、いつも通り全体のストーリーはふんわりしてるけど、場面場面がイマイチ面白くないから「あれ?」ってなるんだと思う。

宮崎駿を言う天才の発想する目くるめく世界観は、今作でも物凄い勢いで展開されるのに、それに対していちいち引っ掛かって入り込めないのは、その演出力による部分が大きい。

よく「ハンターハンター」の話で、「もう冨樫はネーム書いて、作画は別の人に」と言う話題が出る。

そりゃ冨樫先生より絵が上手い人は沢山いると思うけど、でも、多分それをやると「ハンターハンター」は面白くなくなると思う。

それと同じ感じと言えば、分かってくれるだろうか。

まぁ、長くなってしまったので、そろそろ締めようと思うけど、結局この話自体が面白かったかどうかと言う事を考えると、「オレは」面白かったよ。と言うしかない。

でもそれはあくまでもオレは面白かったと言うだけで、じゃあ100人中100人が面白いと言わなければいけない理由もないし、面白くない人は面白くなかったで良いじゃないか。

映画だけじゃなくて、漫画でも小説でもドラマでもなんでも、そんなもんですよ。

ついでに、そんな難解な話でもなかったと思う。

何だったら「千と千尋の神隠し」の方が難解だったような気がする。

でも、「千と千尋の神隠し」以上にこの物語が難解だと言われるのは、表現方法の制限と作画的演出の方にあると思う。

そんな感じでございます。

あと最後に一つだけ言いたいのは、考察自体に対して何かを言うつもりはないんだよ。

考察してるヤツを下げるつもりも毛頭ない。

オレだって、チョッと前になぜか「ホムンクルス」って漫画を取り上げて延々5日に渡って考察を繰り広げたりしたし

楽しみは人それぞれ。

映画を深掘りして考察するのも楽しみ方の一つですよ。

ただ、それをするのは高畑監督の作品の方が向いてるんじゃないかなとか思ったりもしているけど、それも人それぞれ。

イヤ、しかし・・・ホント長くなったな。

3日に渡って、ご清聴(?)ありがとうございました。

いやぁ~映画って本当に良いものですね。

さよなら。さよなら。さよなら。

って、今の人は淀川さん知らねえよな。

水野晴郎も・・・

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